詰みの形 その1

詰みの形を覚える

 以前記載した「なぜ詰将棋を解くと将棋が強くなるのか」や「詰将棋を解く際に意識するべきこと」の記事の中で詰将棋を解く際は「詰み筋」を覚えることを意識して詰将棋を解くことで、学習の効率が上がるというお話しをしました。しかし、初級者の方は詰み筋の前に「詰みの形」を覚える必要があります。詰み筋が相手玉を詰ますための手筋(駒を効率よく使える良い指し方)であるのに対して、詰みの形とは相手玉が詰んでいる形のパターンのことです。
 今回の記事では初級者の方が詰み筋の前に覚えるべき「詰みの形」の内、金を使った詰みの形について紹介していきます。また、詰みの形を覚えるためには1手詰めの詰将棋を解くのが効果的です。今回の記事を読んで、詰みの形がまだ身についていないと感じた方は、詰みの形を意識しながら1手詰めの詰将棋を沢山解いていきましょう。

頭金(あたまきん)

【解説】
 詰みの形の中でもっともよく出てくる形が頭金です。これまでも頭金は記事の中で何度も扱ってきましたが、それは頭金がもっとも重要な詰みの形だからです。頭金は詰みの基本なので、色々覚えるのが大変だという方は、まずはこの頭金を覚えるようにしてください。

【条件】
・相手玉の前に自分の金または成駒がいる
・相手玉の前に居る自分の金を相手玉に取られても他の駒で取り返せる
・相手玉の前に居る自分の金を相手の守り駒に取られない

練習問題

次の詰将棋を解きましょう。2問目は答えが2つあるので両方考えてみましょう。

※1手詰

5二金

※1手詰

3二桂成 または 3二角成

腹金(はらきん)

【解説】
 腹金もよく出てくる詰みの形で、相手玉の横から金で王手する形です。頭金同様、相手玉にくっつけて王手する場合は、王手している駒を相手玉に取られても取り返せる形にすることが大切です。

【条件】
・相手玉の横に自分の金または成駒がいる
・相手玉の横に居る自分の金を相手玉に取られても他の駒で取り返せる
・相手玉の横に居る自分の金を相手の守り駒に取られない
・相手玉の逃げられるマスがない

練習問題

次の詰将棋を解きましょう。2問目は答えが2つあるので両方考えてみましょう。

※1手詰

2二金

※1手詰

8二桂成 または 8二銀成

尻金(しりきん)

【解説】
 尻金は相手玉の後ろから金で王手する形です。尻金は特に一段目の飛車や龍との相性が良いので、敵陣の一段目に自分の飛車や龍がいるときは積極的にねらってみましょう。

【条件】
・相手玉の後ろに自分の金または成駒がいる
・相手玉の後ろに居る自分の金を相手玉に取られても他の駒で取り返せる
・相手玉の後ろに居る自分の金を相手の守り駒に取られない
・相手玉の逃げられるマスがない

練習問題

次の詰将棋を解きましょう。

※1手詰

2一金

※1手詰

1一と(1一角成は同角で失敗)

詰みの形 その1 への1件のコメント

  1. ピンバック : 詰みの形 その2 – リコット将棋教室

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